専用の IC を利用すると、簡単に温度や気圧を測定できます。インターネットに接続してグラフ化したりボットを作ったりと応用先は様々ですが、ここでは LCD に結果を表示する測定基板を作成します。
以下のパーツが必要になります。画像ではコンデンサを直列に接続したり抵抗を並列に接続したりしていますが、これは手元に適切な値のパーツがなかったためです。
http://schematics.com/project/thermobarometry-47976/
LM61CIZ は周辺回路が不要な温度センサーです。Arduino UNO の A0 ピンで電圧値を A/D 変換して利用します。後述の通り MPL115A2 でも温度を測定できますが、MPL115A2 の入手性がよくないため LM61CIZ を利用する例を記載しています。
MPL115A2 は I2C ポートから気圧と温度をデジタルデータで出力する IC です。Arduino UNO の SDA および SCL ピンに接続して利用します。Arduino UNO の SDA/SCL ピンは A4/A5 ピンと電気的に接続されているため、A4/A5 ピンはアナログ入力として利用できないことに注意します。Adafruit の商品ページに記載されているライブラリを利用すれば Arduino で簡単に利用できます。
Arduino 公式ページに記載のある LiquidCrystal Library を利用することで、日立製作所の HD44780 またはその互換 LCD を比較的容易に制御できます。SD1602H は HD44780 互換 LCD です。特殊なピン配置となっており、15,16 ピンが 1-14 ピンと連番でなかったり 1-14 ピンの順番が通常の IC と逆であったりしますが、コンパクトな LCD のため回路全体が小さく収まります。4-bit モードで利用することで、Arduino のデジタルピン 4 本だけで制御できます。可変抵抗はコントラストの調整用です。100Ω 抵抗はバックライトの明るさを変更したい場合は適宜別の値のものに取り替えてください。
#include <LiquidCrystal.h>
#include <Adafruit_MPL115A2.h>
// LCD のオブジェクトを生成します。使用するピン番号を設定します。
LiquidCrystal lcd(12, 11, 5, 4, 3, 2);
// MPL115A2 のオブジェクトを生成します。
Adafruit_MPL115A2 mpl115a2;
void setup() {
// LCD で表示できる文字数を設定します。16x2 文字表示できます。
lcd.begin(16, 2);
// MPL115A2 の初期化を行います。
mpl115a2.begin();
}
void loop() {
// 温度 ////////////////////
// LM61CIZ の出力電圧を A/D 変換します。
int lm61ciz_ad = analogRead(A0);
// Arduino の A/D 変換の分解能は 10 bit です。電圧値 [mV] で表現した場合の値を計算します。
// https://www.arduino.cc/en/Reference/Map
int lm61ciz_v = map(lm61ciz_ad, 0, 1023, 0, 5000);
// LM61CIZ のデータシートによると -30 度 から +100 度の範囲が線形に
// +300mV から +1600mV の電圧として出力されることが分かります。
// 温度は以下の計算で得られます。
int lm61ciz_t = map(lm61ciz_v, 300, 1600, -30, 100);
// 温度を表示します。
lcd.setCursor(0, 0);
lcd.print("Temp: ");
lcd.print(lm61ciz_t);
lcd.print(" *C");
// 気圧 ////////////////////
double pressureKPA = mpl115a2.getPressure();
double temperatureC = mpl115a2.getTemperature(); // 今回は使用しません。
// 気圧を表示します。
lcd.setCursor(0, 1);
lcd.print("Pres: ");
lcd.print(pressureKPA);
lcd.print(" kPA");
delay(1000);
}