Qt 等で開発された X11 アプリケーションを利用するためには X サーバのクライアントが必要になります。X サーバは仮想的に Xvfb コマンドで作成することができます。X サーバのクライアントには fluxbox
などの X11 ウィンドウマネージャ、ssh -X
や x11vnc
、その他 Qt 等で開発された X11 アプリケーションがあります。
ここでは X サーバのクライアントを Xlib で作成して X11 アプリケーションを自動操作してみます。Python の Xlib 実装は python-xlib です。
インストール
pip 等でインストールできます。
スクリーンショットの取得
仮想ディスプレイ DISPLAY=:99
を作成します。
GUI アプリケーションを接続します。
以下のようにしてスクリーンショットを取得できます。
RAW 画像は pillow(PIL) の Image.frombytes を利用して NumPy の ndarray に変換すると簡単です。
クリック、キーボード操作
仮想ディスプレイ DISPLAY=:99
を作成します。
GUI アプリケーションを接続します。
仮想ディスプレイに VNC 接続して動作確認できるようにします。
以下のようにして左上の (0, 0)
をマウスで左クリックできます。
fake_input を利用します。番号の 1 は左クリックです。後に利用する xev
でもマウスボタンの番号を確認できます。
同様にキーボードの操作を表現するためには以下のようにします。
一連の GUI 操作の保存および再生
仮想ディスプレイ DISPLAY=:99
を作成します。
GUI アプリケーションを接続します。
仮想ディスプレイに VNC 接続できるようにします。
VNC 経由で操作した一連の操作を X サーバ経由で取得してファイルに保存するスクリプトを起動します。localhost の DISPLAY=:0
ではなく Xvfb の DISPLAY=:99
に接続すると screen の root をそのまま扱えて簡単です。
record.py
保存されたファイルをもとに一連の操作を X サーバに送信して再生するスクリプトを起動します。VNC 経由で再生されている様子を確認できます。保存時と再生時にスクリーンショットを取得して画像の差分を利用すれば簡単な自動テストが実現できます。
replay.py
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