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DBマイグレーション機能の簡単な使い方まとめ (Rails4)

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公開日公開日
2014/06/18
最終更新最終更新
2017/12/19
記事区分記事区分
一般公開

目次

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    週末エンジニア

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    Rails側のモデルに即した形でデータベース側のテーブル設定を変更したりする際に役立つマイグレーション機能、およびその関連事項について簡単にまとめてみます。マイグレーションはデータベースのテーブルレイアウトの差分に相当します。ある状態のテーブルレイアウトから、その差分を用いて新たなテーブルレイアウトにマイグレート (移行) するのです。

    マイグレーションファイルの生成方法

    アプリケーションの開発時に用意する最初のマイグレーションファイルは、scaffold機能で生成されるものを使用すればよいです。

    $ rails new myApp
    $ rails generate scaffold myModel field1:string field2:integer field3:date field4:boolean
        field5:text field6:decimal field7:binary field8:datetime
    (↑db/migrate/20140617113217_create_my_models.rb が自動生成されました)
    $ rake db:migrate
    

    開発中または運用中に新たなテーブルレイアウトに移行するためのマイグレーションファイルを生成する場合は、下記のようにします。

    $ rails generate migration AddFieldAToMyModels firldA:string
    (↑db/migrate/20140617114356_add_field_a_to_my_models.rb が生成されました)
    $ rake db:migrate
    

    マイグレーションのバージョン

    上記2つの方法で生成可能なマイグレーションファイルには生成された時刻がバージョンとして付与されます。Railsは、DBにどのバージョンのマイグレーションファイルまで反映されたかを記録するために、DB内に "schema_migrations" というテーブルを保持しています。試しに "rails db" でコンソールに入って確かめてみます。

    sqlite> .tables
    my_models          schema_migrations
    
    sqlite> .schema schema_migrations
    CREATE TABLE "schema_migrations" ("version" varchar(255) NOT NULL);
    CREATE UNIQUE INDEX "unique_schema_migrations" ON "schema_migrations" ("version");
    
    sqlite> select * from schema_migrations;
    20140617091246
    

    なお、バージョン状態を確認するだけであれば、わざわざコンソールに入らずとも、

    $ rake db:migrate:status
    

    とすることで確認できます。実行結果例:

    database: c:/Users/path/to/myApp/db/development.sqlite3
    
     Status   Migration ID    Migration Name
    --------------------------------------------------
       up     20140617091246  Create my models
    

    マイグレーションファイルの書き方

    db/migrate/20140617113217_create_my_models.rb (新規テーブルレイアウト)

    class CreateMyModels < ActiveRecord::Migration
      def change
        create_table :my_models do |t|
          t.string :field1, limit: 20, null: false # VARCHAR(20), NOT NULL
          t.integer :field2, default: 99 # DEFAULT 99
          t.date :field3
          t.boolean :field4
          t.text :field5 # stringはDBではVARCHAR型, textはDBではTEXT型
          t.decimal :field6 # 小数
          t.binary :field7 # 画像データなどを格納
          t.datetime :field8
    
          t.timestamps # created_at, updated_at を生成
        end
      end
    end
    

    マイグレーション結果例

    sqlite> .schema my_models
    CREATE TABLE "my_models" (
      "id" INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT NOT NULL,
      "field1" varchar(20) NOT NULL,
      "field2" integer DEFAULT 99,
      "field3" date,
      "field4" boolean,
      "field5" text,
      "field6" decimal,
      "field7" blob,
      "field8" datetime,
      "created_at" datetime,
      "updated_at" datetime);
    

    db/migrate/20140617114356_add_field_a_to_my_models.rb (テーブルレイアウトの差分)

    class AddFieldAToMyModels < ActiveRecord::Migration
      def change
        change_table :my_models do |t|
          t.string :fieldA #add
          t.remove :field1, :field2
          t.rename :field3, :field3_renamed
        end
    
        add_index :my_models, :field4
        add_index :my_models, [:field4, :field5] # マルチカラムインデックス
        # remove_index :my_models, :field4
        # remove_index :my_models, column: [:field4, :field5]
    
        # HABTM (Has And Belongs To Many: m:nの関係にある2つのモデル)
        # create_join_table :my_models, :habtm_models # ←中間テーブルを生成
      end
    end
    

    マイグレーション結果例

    sqlite> .schema my_models
    CREATE TABLE "my_models" (
      "id" INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT NOT NULL,
      "field3_renamed" date,
      "field4" boolean,
      "field5" text,
      "field6" decimal,
      "field7" blob,
      "field8" datetime,
      "created_at" datetime,
      "updated_at" datetime,
      "fieldA" varchar(255));
    
    sqlite> .indices
    index_my_models_on_field4
    index_my_models_on_field4_and_field5
    unique_schema_migrations
    

    その他の関連知識

    マイグレーションを特定のバージョンまで実行

    $ rake db:drop:all
    $ rake db:migrate VERSION=20140617113217
    

    一旦すべてDROPしてから最新の状態までマイグレート

    $ rake db:migrate:reset
    

    テストデータを用意してDBに流し込む

    test/fixtures/my_models.yml

    label_1:
      field1: MyStringOne
      field2: 1
    
    label_2:
      field1: MyStringTwo
      field2: 2
    
    <% 3.upto(10) do |i| %>
    label_<%= i %>:
      field1: MyString
      field2: <%= i %>
    <% end %>
    

    上記例のように、rubyスクリプトを埋め込めます。用意ができたら下記コマンドを実行してデータをDBに流し込みましょう。

    $ rake db:fixtures:load FIXURES=my_models
    

    アソシエーションがある場合

    test/fixtures/related_model.yml (仮)

    related_1:
      my_model: label_1
      ...
    

    アソシエートされたモデルについてはラベルを利用可能です。上記例では、my_model_idにidで指定するのではなく、my_modelにラベルを指定しています。my_model_idには適当なIDが自動で設定されます。

    $ rake db:fixtures:load FIXURES=my_models,related
    

    自動更新されるスキーマファイル

    マイグレーションファイルという差分を積分していった結果、つまり最新のテーブルレイアウトは、"db/schema.rb" に記述されています。マイグレートする度にこのファイルは自動で更新されます。Drop直後や新しい環境ではマイグレーションを繰り返し実行するのではなく、このこのスキーマファイルを読み込みましょう。

    $ rake db:schema:load
    

    同様に、マイグレーションの繰り返しではなくスキーマでリセットしたい場合は、"rake db:migrate:reset" ではなく

    $ rake db:reset
    

    としましょう。

    本番環境で初期投入するデータ

    db/seeds.rb

    MyModel.create(fieldA: 'str1')
    MyModel.create(fieldA: 'str2')
    

    というファイルを用意して、下記コマンドを実行します。

    $ rake db:seed
    

    ちなみに、"db:schema:load" および "db:seed" を合わせたコマンドとして、

    $ rake db:setup
    

    があります。新しい環境への導入時等に使用しましょう。

    rakeする開発環境の指定

    "fixture" や "migrate" を実行する対象となる開発環境は、既定では "development" ですが、"config/database.yml" に指定のある他の環境に対して実行したい場合はパラメータとして明示する必要があります。

    $ rake db:migrate RAILS_ENV=production
    

    ロールバック運用

    既出の事項も含まれますが、実運用でロールバック関連の作業をする際には以下のようにします。

    一つだけ戻す

    $ rake db:rollback
    $ rake db:migrate:status
    
    database: mydb_development
    
     Status   Migration ID    Migration Name
    --------------------------------------------------
       up     20150620101651  Create users
      down    20150814181311  Rename users column
    

    再度適用

    $ rake db:migrate
    $ rake db:migrate:status
    
    database: mydb_development
    
     Status   Migration ID    Migration Name
    --------------------------------------------------
       up     20150620101651  Create users
       up     20150814181311  Rename users column
    

    今度は二つ戻す

    $ rake db:rollback STEP=2  ←大文字であることに注意
    $ rake db:migrate:status
    
    database: mydb_development
    
     Status   Migration ID    Migration Name
    --------------------------------------------------
      down    20150620101651  Create users   ← DROP TABLE されるためデータは消失します
      down    20150814181311  Rename users column
    
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