Windows Server EC2 インスタンスへの CAL インストール
[履歴] [最終更新] (2021/08/14 11:09:47)
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概要

Windows サーバを AWS EC2 インスタンスとして起動した後は、RDP 接続が必要となります。RDP 接続を行なうためには Remote Desktop Services (RDS) ライセンスが必要となります。

Windows Server のライセンスは、管理用途の RDS 接続を許可しています。その際に RDS ライセンスは不要です。ただし、同時接続数が 2 という制限があります

Remote Desktop supports two concurrent connections to remotely administer a computer. You do not need a license server for these connections.

AWS インスタンスの利用料金には Windows Server のライセンス料金が含まれているため、別途 RDS ライセンスを購入することなく同時に 2 つまでの RDP 接続が可能です。

The license for Windows Server is included in the price of your Windows instance.

同時に 3 以上の RDP 接続を行なうためには Client Access License (CAL) 等の RDS ライセンス購入が必要になります。本ページでは何らかの手段で購入した CAL を Windows EC2 インスタンスに設定する方法を記載します。

RDP 接続について

本ページでは Windows Server 2019 を起動してみます。

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EC2 インスタンス起動時に指定した key pair をアップロードすることで、管理アカウント Administrator の初期パスワードを取得できます。

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外部IP を指定して RDP 接続します。

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アカウントの追加

コントロールパネルから追加することもできますが、コマンドでの追加方法は以下のとおりです。

ヘルプ

net user /help

アカウント追加

net user rdp-user01 myPasswd! /add /logonpasswordchg:no
net user rdp-user02 myPasswd! /add /logonpasswordchg:no
net user rdp-user03 myPasswd! /add /logonpasswordchg:no

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グループ一覧の確認

net localgroup

リモートデスクトップ可能なグループに追加

net localgroup "Remote Desktop Users" rdp-user01 /add
net localgroup "Remote Desktop Users" rdp-user02 /add
net localgroup "Remote Desktop Users" rdp-user03 /add

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RDP 同時接続数の上限が 2 であることの確認

3つめの RDP 接続を行おうとすると以下のエラーとなります。

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ログオン済みのアカウント一覧はタスクマネージャから確認できます。

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ライセンスサーバのインストール

RDP 接続を行なう対象となる Remote Desktop Session Host が参照する Remote Desktop Licensing サーバを構築します。

  • CAL をインストールする対象は Remote Desktop Licensing サーバです。
  • ユーザが RDP 接続を行なう対象は Remote Desktop Session Host です。

Server Manager を起動します。

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Windows Server の役割を追加します。

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Next をクリックします。

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Role-based or feature-based installation を選択して Next をクリックします。

補足: Virtual Desktop Infrastructure (VDI) とは Windows OS の VM のようなものです。本ページでは VDI に対する RDP 接続ではなく、ある共用の Windows OS に対する複数ユーザの RDP 接続を考えています。

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Next をクリックします。

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Remote Desktop Services を選択します。

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変更せずに Next をクリックします。

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Next をクリックします。

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Remote Desktop Licensing を選択します。

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Add Features をクリックします。

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再起動することを許可したうえで、Install します。

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なお、役割のインストールのためにインターネット接続は不要です。

ライセンスサーバの有効化

Remote Desktop Licensing Manager を起動します。Server Manager の Tools から起動できます。

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Not Activated となっていることが確認できます。

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Activate Server をクリックします。

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Next をクリックします。

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Microsoft への認証手段を選択します。ライセンスサーバからのインターネットアクセスができない環境の場合は、インターネットアクセスが可能な別の PC を用いて Web ブラウザから認証できます。

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https://activate.microsoft.com/ にアクセスします。

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Activate a license server を選択します。

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EC2 Windows Server に表示されている Product ID 等を入力します。

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Next をクリックします。

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表示された license server ID を Windows Server に入力します。

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Finish をクリックします。

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Activated となっていることが確認できます。

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この時点ではまだ同時に 3 以上の RDP 接続は行なえません。

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ライセンスサーバへの CAL インストール

Install Licenses をクリックします。

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Next をクリックします。

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License key pack ID を入力する必要があります。

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https://activate.microsoft.com/ にアクセスします。

Install client access licenses を選択します。

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購入した CAL に応じて、適切な License program を選択します。

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例えば購入したライセンスが
Microsoft Windows Remote Desktop Services - license & software assurance - 1 user CAL
である場合は "Microsoft Enterprise Agreement, Microsoft Select, Microsoft Select Plus" が該当します。

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適切な Product Type とその数量を指定します。

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今回は Windows Server 2019 をライセンスサーバとして用いているため RDS 2019 User CAL を選択しています。対応表を確認して選択します。

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この時点でもまだ同時に 3 以上の RDP 接続は行なえません。

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セッションホスト役割の有効化

Server Manager から Add Roles and Features をクリックします。

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Next をクリックします。

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Role-based or feature-based installation を選択します。

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Next をクリックします。

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Remote Desktop Session Host を選択します。

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Add Features をクリックします。

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Next をクリックします。

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再起動を許可したうえで Install します。

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なお、役割のインストールのためにインターネット接続は不要です。

セッションホストからライセンスサーバを利用するための設定

自動での再起動がなされた後にログオンすると、以下の警告が表示されます。
セッションホストがライセンスサーバから CAL を正常に取得できない状態であっても、120 日間は猶予期間として RDP が利用できます。また、その際の接続上限はなく、同時に 3以上の RDP 接続が可能です。

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ライセンスサーバへの参照設定を行います。

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Administrative Templates → Windows Components

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→ Remote Desktop Services → Remote Desktop Session Host → Licensing

  • Use the specified Remote Desktop license servers
  • Set the Remote Desktop licensing mode

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本ページではローカルホストのライセンスサーバを利用します。

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User CAL をインストールした場合は以下のような設定になります。

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Server Manager の Tools から Remote Desktop Licensing Diagnoser を起動します。

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ライセンスサーバへの CAL のインストールが正常に完了していない場合は、以下のような警告が表示されます。

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正常に CAL がインストールされたライセンスサーバに対して、セッションホストが接続できた後は、以下のように 3 以上の RDP 接続が可能となります。

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User CAL をインストールした場合の注意点

  • Windows Server 2019 以上を利用している。
  • Active Directory によるドメインコントローラを利用していない。ワークグループを利用している。
  • Device CAL ではなく User CAL を利用している。

以上の条件を満たしてしまっている場合は、RDP 接続時に以下の警告が表示されてしまい、60分以上の RDP 利用が不可となります。

リモートデスクトップライセンスに問題があるため、このセッションは60分後に切断されます。システム管理者に問い合わせて、この問題を修正してください。

Windows Server 2019 以上で User CAL を利用する場合は、こちらのページに記載の AD を構築する必要があります。

補足

  • Windows Server 2019 より前は紳士協定のような状況で、User CAL であっても ワークグループ を利用できました。
  • ワークグループの場合、マイクロソフトが User CAL の利用状況を正しく判定できません。
  • Device CAL の場合はワークグループであっても正しく CAL の利用状況をマイクロソフトが把握できます。

参考資料

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