シェル変数はすべて文字列扱いであるため、数値計算のためには専用のコマンドを用いる必要があります。
整数同士の四則演算にはexprコマンドを使用します。
sample.sh
#!/bin/sh
expr 1 + 1
expr 1 - 1
expr 1 '*' 1 # ワイルドカードと区別するために、クォーテーションで囲う必要があります
expr 1 / 1
expr 1 % 1
実行例
$ sh sample.sh
2
0
1
1
0
大小比較にはtestコマンドを使用します。
sample.sh
#!/bin/sh
CNT=0
while [ $CNT -ne 10 ] # "ne:!=", "eq:==", "lt:<", "le:<=", "gt:>", "ge:>="
do
CNT=`expr $CNT + 1`
echo $CNT
done
実行例
$ sh sample.sh
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
小数を含む計算のためにはbcコマンドを使用します。echoで計算時のオプション等を指定してパイプで計算式を渡します。
sample.sh
#!/bin/sh
echo "scale=3; 10/3" | bc # scaleで少数第何位まで出力するか指定可能
echo "3.0*3.333" | bc # *のクォーテーションは不要
実行例
$ sh sample.sh
3.333
9.999
m進数からn進数への変換にもbcコマンドを利用できます。echoでmおよびnを指定してパイプで変換式を渡します。
sample.sh
#!/bin/sh
echo "ibase=10; obase=2; 7" | bc # 10進数から2進数への変換
実行例
$ sh sample.sh
111
bash の場合は expr
の代わりに $(())
が利用できます。
echo $((1 * 2))
echo $((1 + 2))
set -e している場合で expr
の結果が 0 になるとスクリプトが停止してしまう問題を回避できます。expr
の終了ステータスは、結果が 0 の場合は 1 です。
expr 1 - 1
0
echo $?
1